包み込む黒
花屋で働いていると毎日たくさんのお花を見ますが
黒い植物は本当に珍しく、なかなか巡り逢えません。
黒は魅惑的で、神秘的で、美しい色。
光を吸い込むのに、その内側から静かに輝く不思議な色。
そんな”黒”の魅力をまとった黒ホオズキに
私もすっかり心を奪われてしまいました。
つるんとした緑の実を包み込んでいるのは黒いがく。
チロチロと揺れながら、まるでたった一つの宝物を大切に守っているかのようです。
広がる茎と葉はどこか奔放で、自由に曲がり好きな方向に伸びています。
それなのにひとつひとつに芸術的な佇まいがあるので不思議です。
花はこれまでの印象とは真逆で、ふわりと柔らかい質感。
つぼみはやさしい薄紫色の花びらをひっそりと覗かせています。
決して華やかではないけれど、他の花とは違う黒ホオズキの魅力に
どんどん吸い込まれていってしまいます。
どことなく経験豊富な大人の安心感のようなものがあり
自分の行き場のない感情を静かに受け止めてくれるような気がします。
言葉にならない静けさや余韻を
暮らしに添えてくれそうです。
Dolce vita 染谷
夏の風物詩
今日は七夕。
この時期が来るとわくわくするのは
お祭りや夏のイベントが始まるからかもしれません。
甲府では今日が最終日の3日間、
七夕祭りが行われます。
毎年楽しみで仕事の帰りに、
いちご飴と
チョコバナナと
焼きそばと
かき氷と
ツイストポテトを買いに駆け回ります。
欲しいものを手に入れ、七夕飾りを眺めながらゆったり食べる時間が
至福の時です。
本日は曇りが予想されますが
天の川を見ることができるでしょうか。
Fleuretteには桔梗屋甲府本館青沼店の
青々とした竹と、短冊を飾りました。
素敵な願いが叶いますように。
そしてこの夏、
たくさんの素敵な植物に出会えますように。
Fleurette樋川
あのころの記憶
入社して二ヶ月がたったころ切花のメンテナンスをしていたら
ふわっと漂ってきた甘い香りを、今でも忘れられません。
甘い香りのもとをたどってみると
オンシジュームのシャリーベイビーでした。
結婚式のブーケや卓上装花に使われることが多く人気があるお花です。
見た目は小さくて可愛いランの仲間ですが、実はチョコレートのような甘い香りがします。
大好きなシャーリーベイビーの香りに包まれながら、今年も出会えたことにとても嬉しく感じました。
昨年に続きシャーリーベイビーを目にすることができ、また来年もこの香りで懐かしい記憶がよみがえってくると思うと、胸が躍ります。
ちょっと変わった切り花を飾ってみたい方や、お花のある暮らしを始めたい方にもおすすめしたいお花です。
Dolce vita 豊島
夏の風
太陽の暖かさを目一杯浴び
ぬるい空気が全身をもわっと包む。
寒さが苦手な私の
大好きな季節になりました。
太陽の光を浴び光合成する植物同様、
内からパワーがみなぎる気がしてきます。
フレッシュなグリーンの葉や実ものからは見ているだけで植物達の力強さを感じ、
夏を謳歌しているように見えます。
そんな夏ですが、部屋には涼を感じるお花を生けたくなります。
風鈴のようにチリンと鳴りそうなグラス類、
透き通るようなブルーの
涼やかな花たちをあわせると
屋内にも夏の風を連れてきてくれるようです。
今年はどのくらい暑くなるのでしょうか。
この夏は暑さを楽しみつつ、
目からも涼を取り入れてみませんか。
暑い夏を乗り切る術、
他にも良い方法ありましたらぜひ教えてください。
Fleurette樋川
乙女のしとやかさ
透明感のあるほんのりピンクがかった
色味がなんとも魅力的な
『 カラー キャプテンベンチュラ 』
シンプルで、すっとしたフォルムが
とっても美しいです。
カラー キャプテンベンチュラの花言葉は
『 乙女のしとやかさ 』
純白に分類される品種ですが、
夏場はうっすらとピンク色が
出てくる場合があるそうです。
今回入荷したカラーもよく見ると
一つひとつ、違う位置にピンク色が出ていて
お気に入りの一輪をみつけるのに
ぴったりなお花です。
うっとりする上品さに一目惚れ
してしまいました。
カリフォルニア ライラックや
アストランチアローマなど
同系色の柔らかい色味の組み合わせが
とってもおすすめです。
ニュアンスカラーの
優しい雰囲気に癒されますように。
Fleurette 谷本