2025年07月16日
包み込む黒
花屋で働いていると毎日たくさんのお花を見ますが
黒い植物は本当に珍しく、なかなか巡り逢えません。
黒は魅惑的で、神秘的で、美しい色。
光を吸い込むのに、その内側から静かに輝く不思議な色。
そんな”黒”の魅力をまとった黒ホオズキに
私もすっかり心を奪われてしまいました。


つるんとした緑の実を包み込んでいるのは黒いがく。
チロチロと揺れながら、まるでたった一つの宝物を大切に守っているかのようです。
広がる茎と葉はどこか奔放で、自由に曲がり好きな方向に伸びています。
それなのにひとつひとつに芸術的な佇まいがあるので不思議です。
花はこれまでの印象とは真逆で、ふわりと柔らかい質感。
つぼみはやさしい薄紫色の花びらをひっそりと覗かせています。
決して華やかではないけれど、他の花とは違う黒ホオズキの魅力に
どんどん吸い込まれていってしまいます。
どことなく経験豊富な大人の安心感のようなものがあり
自分の行き場のない感情を静かに受け止めてくれるような気がします。
言葉にならない静けさや余韻を
暮らしに添えてくれそうです。

Dolce vita 染谷
